ふぃーるざ・たび

 テーマが旅に決まりましツアー! (決まってません)ということで、昨日は旅行博(http://ryokohaku.com/)に行ってまいりました。一応仕事で行ったつもりでしたが弊誌のような雑誌&関わってる幾つかの雑誌類には観光局、また旅行関係各社はなかなかダイレクトに繋がりを見い出しにくく、どっちかちゅうと大使館の文化部なのかな、と思う。企業も観光局からの紹介を期待し辛そう。なので、かかわりのある、ありそうな数カ国をまわった後は、もともとこのイベントに呼んでくださったクロアチアブースにいく。
 先日、ウィーンからの帰りに隣の席に座っていた彼はクロアチアの建築家で、私の荷物や手帳への書き込みに「ベネチアビエンナーレ(建築)」とあったことに反応して話し掛けてきた。日本では愛知万博クロアチア館のパビリオンディレクターをするとのことで売り込み熱心である。
 この日は大学で建築をやっている知人を連れていったのだが、クロアチアの彼がドブロブニクの説明をしている最中に唐突に「で、安全なの?」と聞き、もちろん彼が「当然です」というのにも「みんなそう言うんだよね」と、冗談とも嫌味ともつかない口調で始めたのにまいった。知人はその後も「スコピエから来た友達が言うにはさ」と続け、彼らに「そこはマケドニアですし、コソヴォ近隣でまた事情が違います」と反論されていた。確かに観光局方面の人が誘致の為に安全を主張するだろうことは考えられるのだが、それにしても知識か礼儀のどちらかをもって対応できないものだろうか。
 知人はドブロブニクの街の建築をちゃんと知識として持っていた。先日彼らに会うまでクロアチアはトルコ寄りの風景だと思っていた私よりは、クロアチアがヨーロッパへの帰属意識が高い国であることくらいはわかるだろうし(私ですら写真を見てまずそう思った)、旧ユーゴとして紛争地域を(それも、感情面ではこちらから予想の難しいボスニア方面とともに)ひとまとめにして初対面の彼らに振るってのは、専門外だからとはいえ知識人(と、みなされる人)のやる事ではないでしょうに。
 時間がなく立ち寄らなかったけど旅行博にはグルジアチェチェンアゼルバイジャンアルメニア合同ブースがあり、今だからこそ彼らが出ておく意味があるんだろうなとも思う。知られない事、情報を遮断される事はその土地にとって無用の妄想や誤解を生み、恐怖や排除を呼ぶ。
 ということでお時間ある方はぜひ。今(一部で)話題ナウル共和国も出店している様子だよ! いやここにこそ行っておくべきだったけど、私。