戻り。

 あれから歩いてミュージアム通りまでいく、途中で雨が降って駆け上がったところがボン大学で、もちろん思い出したのは「ユーリ!」(トーマの心臓)という。→そのまま歩いてクンストミュゼボン、で、過去の展示にあったカールブロッスフェルトのカード(日本でも買えます)とか、はらぺこアオムシのドイツ語版を母に買ったりしてました。→そんなこんなで、地下鉄で移動して大学駅をあがると、目の前に鐘がなるなる、あれだ、ミュンスタ−教会じゃないですか! →と、思ってとことこ坂を下り、広場を横切り教会の一階に到着する、と、知らないおじさんにドアを開け招き入れられる。思わず入る。と、目の前に神父と小坊主二人。→お互い目が丸くなるが後ろに小突かれそのままはいる。→鐘がドアうえでなる。→えーと、ミサが始まりました。→えー? 日曜学校くらいしか出たこと無いのに、と正直引くがもう出れない雰囲気。→なんせドイツで二番目に古い教会。→せめて、できる限り迷惑にならないように、と隅でちいさくなり、周りが立ったら立ち、座ったら座る。アーメンいうたらアーメン。よくわからないドイツ語は口まね。賛美歌は、覚えてるやつだけ日本語で、あとでてくるやつだけ。あとは口まね。→おっと、周りが立ちました、ゾロゾロ並んでます、並ぶ。→天井やら柱頭の彫刻や絵画をボケーと見ている、と、列先頭まであと数人となり何やってるかが見える。→あれじゃん、聖体。→映画で見たことある、あのなんか成人式みたいなんでパン配られて舌だして食べるやつ。→ああ、あれじゃん、って、まずいじゃないですかこれ並んでたら! →振り向くが、自分が一番最後で、もう席に戻ってる大量の人々を見て向き直してしまう。→と、それは前の人が去った刹那。→聖母のような微笑みでなんか言われ思わず凍ると怪訝な顔で英語で聞き直される、「あなたはクリスチャンですか?」。→物凄くいろんなことが頭に去来して更に凍るが口をついてなぜか出た言葉
「はい」
やってしまった、パンを放り込まれ奈良公園の鹿の気分(鹿せんべい味だった←更にひどいことを。)でくしくしやりながら席に戻ります。→脳が解凍されないまま更に横の人につられてつい跪きとかまで。→ごめんもう畠山家に戻れねぇす。→一応、失礼できるだけないようにと気を使ったところがなんつうか一番冒涜っぽいことした気が。日本人の気遣いが裏目に出る瞬間ツーか。→もう、改宗して人生やり直そうかな、と思いながら広場に出てベートーベン像の後ろをまわって昨日入った店と間違えて入った居酒屋で白ワインを頼んだらなぜか赤が出て来て、気がついたらビールを頼んでいたからもうダメだと思います。→正直、小坊主らがロウソクとか聖盃掲げて出て来ている時にボケ−と「ユーリはあののち少年愛の世界から復帰しただろうか」とか不謹慎なことを考えて、は、自分の中のやおい魂発見、とか思っていた自分です。
 どうしようか、こう、始めから地獄落ちを予見せざるを得ない状況であえて改宗するべき? てかミーハーに、明日はケルン大聖堂見てあとパリで時間ができたら北部にいってランスかボーヴェだな、とか思うてたのですが、すっかり動揺。っていうか自分の宗教魂にびっくりですよ動揺するか、つうか。てわけで疲れたのでさらに疲れる「大聖堂の精神史」という本を読みながら寝ます、自虐的に。