福祉先進国

pesce2004-07-06

 コペンハーゲンに到着して、なによりその静けさに当初感動したものです。この点は他の国も同じだけど、交通機関での余計なアナウンスがほとんどない。発車のベルもない駅もあるし、(ミラノやロンドンと違い)乗客も基本的に静かでかつとても他人に親切なのでなにかあってもスムーズでたいがいは静かにことが進む様子。街はクリーンで、ストロイエとかいう竹下通りみたいな通り(どの国にもある観光客向けの土産屋通り+広場)の喧噪を除けば人は少なく、しかし治安はよく、建物や通りの作りがゆったり且つ美しくなんつうホスピタリティの高さでしょうという土地でした。
 てか、福祉政策と民主主義が少々突っ走ってて、60年代後半からあるクリスティニアというヒッピー自治区では、エイズ蔓延防止の為にと無料の注射針がポストに入って配付されているという。国の金でヒッピー用注射針ですよ、どうなんですか。で、ジャンキーになったら治療の為に無料の病院で三食昼寝付きである。無職の人には食事と生活費の支給である。えー、ある意味相当豊かです。ミュージシャンや各種アーティストの方々も生活にそれほど困らないのと文化活動は非常に奨励されており、例えばジャズだとどっかのハコで自分の曲を演奏して、それを決まった用紙に記入して申告すると半官半民のジャズ協会からギャラが出るのだそうだ。ありなのかそれ。実際に、目の前でその紙書いてるの見たけど、いまだ信じられない。
 で、前述のクリスティニアにてキャスパー氏友人のライブがあったので行きましたが、もう完全にあれです、ヒッピーです。煙たい。聞くところによるといわゆるハード系は(注射針系は)撤退していていわゆるあったかい系のみなのだそうだけど、一応首都のまん中の東京なら港区か中央区くらいの場所にこれ(広さは新宿御苑くらいで、住居やショップ、ライブハウス保育所など一通り)があるというのがおもしろいです。ライブは、夜中に差し掛かってなにやらサン・ラ−としか言い様のない衣装に身を包んだ人々がぐっちゃりしていましたが、前日に公式カンファレンスでタキシード着てスキャットを披露していた現ローマ法王似のおじさまがラメラメ衣服でスキャットというか涎というかという歌を発声していました。北欧のイメージが一個更新されました。
 空の明るくなり始めた午前二時過ぎにホテルに戻る日々。ついつい寝過ごして結局、ホテル至近且つ有名観光ポイントのリトルマーメイドを見そびれる。まあ、また来るでしょう。