ドナドナ

pesce2004-12-18

 かなーしそうな目をして、観ているよ。(私が)
 えーと、「愛車」などと臆面もなく言える所有物がある人にしかわかり得ないだろう種類の寂寥感で、わがCitroen ami8(1969年製)を見送りました。
 ある取材で人を乗せて駅まで送った翌日、いつもの原宿駅前左カーブを曲がる瞬間、突如私の頬を風が掠めた。その、あまりにフレッシュな風に思わずその抜けていく先を見遣ると、右後方ドアが超全開、じゃー、あーりませんか。刹那、昨日駅で降りていった某カメラマン氏と某医師が「めずらしーですねぇ」と言いながら恐る恐るドアを閉めていた姿がフラッシュバック、あいつらちゃんと閉めてない!! 左カーブをかけながらも咄嗟に対向車を見遣る、少し先から向ってくる。思いきり左に切り右に鋭角で切り直す勢いでドアが閉まる、しかしそれもつかの間、正面2mにカーブ直後代ゼミ原宿校舎前に路駐車ハケーン! 直進方向に切り直していたハンドルを再び大きく右へ切るが、クラッシュ。無人の車両の右側面をえぐる形で、こちらはフロントフェンダーと左しかないミラーが飛ぶ形で、停車。ナンバー見ると外交官ナンバー。・・・人身じゃなくて本当によかった。
 そんなこんなで、急いでいたのでメモを残してその場を去りつつもちゃんと処理はしました、広尾の大使館まで行って! いつもお世話になっておりますとかいって。そんなこんなで全額自費でニコニコ現金払い、その後の忙しさにかまけて自身の愛車のケアが結局今になりました、というわけ。時折、千駄ヶ谷駅近くの駐車場まで行ってはその姿を観て「待っててね」と声をかけ、晴れて修理に出せたわけですが、つきまとうこの一抹の寂しさよ。
 これは車ではない。車の機能が付いている、なにか別のものなのだ。*1

*1:『これは恋ではない』(byコニタン)と「これはラーメンではない、じろうという別の食べ物なのだ」というラーメン界の格言がミックスされたような呟きに仕上がっておりますね