郡上八幡

pesce2005-08-17


 郡上踊りのファイナル、徹夜踊りの最終日に突如行ってきました。32日に渡る踊りのお祭りに最終四日間は徹夜踊りで夜を明かすと言う、日本のリオ。場所もよく確認しないまま、夕方に「行くよ」と聞かされ慌て仕事を片付け、観光協会に聞いたら飛騨地方じゃないですかほとんど! というか大雨洪水警報でてるし! と、思って協会に確認をしたら
 「やりますよっ・・・! 決めましたからもう! やりますから、来て下さい!(高音)」
 完全に祭りハイ。
 それに背中を突き押されて、先に向っている人の分までレインコートとバスタオルを詰めて夜八時出発。観光協会「東京からですか、アハハハハハハハハ来て下さいぜひ! 今からだと岐阜から車ですね! 一時間くらいかな、だいじょうぶです!」・・・どこだろう、それ。とにかく名古屋経由東海道線岐阜、そしてタクシーで一時間(深夜割り増しを切ってくれてメーターも途中で止めてくれた運転手さん感謝)、真っ暗やみの山間からふわりと街の灯りが見える。
 近付くと一般車通行止めの区域ギリギリから、踊りの中心から休みにやってきている若者たち。場所を聞き車を降りて、オレンジ色に薄く照らされた旧い日本の街並を橋のほうへと急ぐ。川のせせらぎを越えたところで代わりに郡上踊りのお囃子が聞こえ始め、街の少し広い通りに踊りの輪の一端が見え、その隅の薄明かりの中に見知った顔を見つける、まるで夢の中の出来事のように現実感がない邂逅。全く知らない古い土地で、深夜の一時も回った頃に老若男女が浴衣を着て一心に踊っている、照らす灯りも提灯と行灯の浮遊感のある輪郭。ともかく、雨はあがっている。山の上には雨後の霧をまとってライトアップされた古城が浮かぶ。それを眺めながら相変わらず現実感の無いままビールを飲みながら踊りを見よう見まねで、少しずつ覚えてみる。春駒、かわさき、げんげんばらばら・・・連れにも教えてもらいつつ幾つかをマスター。
 踊りは朝四時まで続けられ、運良く知り合った舞踊の先生親子の車で岐阜駅まで送ってもらい、名古屋で休む事ができる。最初にここを教えてくれた絵里嬢曰く「住んでもいい」というこの土地、一度昼間にもまた来たい。水が非常にきれいで京の粋を持ちつつも山間の素朴さを残す、そんな印象。料理もいわゆる田舎料理と違って、洗練された美味しさだそうです。奥美濃だしね、豆腐と鮎かな。