祝賀人

 WOWWOWの新コンセプトだかなんだか『プロデュース。WOWWOW』とかいう発表会があり久々にウェスティンの地下宴会場へ足を運ぶ。編集部に居たころは他に行く人がいないとかで、取材やらアポのない時間ならけっこう何の発表会やらレセプションやらにでも顔出しする係となっていたのだけど、特定の雑誌で仕事をしなくなってからめっきり身内のものしか行かなくなっていた。
といっても今日のも友人が紙モノを制作したりキャッチつけたりしたため映画担当でもなんでもない私まで呼ばれたわけなのだが。目玉はアカデミー賞の生中継、の司会をする藤原紀香内藤剛志だったりして本当に、久々に芸能記者の方々の(特にテレビの)獰猛さに触れました。
サヴァンナだね。
 それで発表が終わってヨーロッパ各国料理(サッカーのヨーロッパリーグ放映にちなんでるっぽい)をつまみながら第二部はプロデューサーやらお偉いやらが色々喋る、という合間は乾杯も待たずにひたすら食べる人々。
そういえばパーティといえば必ず見かけるSさんという職業不明のおじさんが今日はいらっしゃらなかった。いわゆるパーティピープルのひと。
彼は日々の生活をパーティのタダ飯タダ酒のみで賄っているという噂がある程、都内で行なわれるパーティというパーティに顔をだし、呼ばれてなくても強引にぶっちぎり、恐ろしく派手なかっこうで猛禽類の目で知人を探し出しては次のパーティの情報を漁る、そしてそれ以外の会話は他のパーティの自慢と文句と主催者達の噂話のみと言う徹底したパーリーピーポーなのだけれどあの実体性の無さは刮目に値する。
 私が彼を紹介されたころにはちょうど『GQ』誌の創刊パーティが近いと言う事でそれがどこで行なわれるのかということを必死で聞き出そうとしていた。
話を聞いているとコンデナスト関係者は明らかに彼を閉め出そうとして努力しているのだけれど彼はその点にはいっこうにかまわずとにかく正確な場所を知りたいと、前日には私の編集部にまで電話をかけてきて「誰も教えてくれない」と20分ほど愚痴をたれていった。
そして結局、数日後に聞かされた自慢(?)話では知人にくっついて会場まで行き入り口は普段の調子で突破して、たらふく飯を食ったということで。
 まあ彼は極端な例としても、しかしなんだかわからないけどいつも居る人たち、
というのはいる。昨年自分の関わったイベントで5日間の内に10個以上のパーティを開くようなものがあったけれど、スタッフサイドで見ていて全く関係ないはずなのだが全部出席されていた(招待のみでも何故か紛れ込んでる)人々は相当数いらっしゃって
一晩に二つ以上のパーティを梯子して、振る舞い酒や飯の量やレベルを比較して
一生懸命喋る人々の、あの情熱はいまだ考える程に謎ではある。
派手な業種の地味な職種、な人が多いようにも見受けますが。