鴨鍋

pesce2004-11-06

 やっと最後の入稿物を印刷所まで届け終わり、その足で行った福井利佐展*1オープニング@ROCKETで、前々から懸案だった「やさいやの鴨鍋を!」という声が起こりこれまで散々流れてきていたイベントをその場にいた人々をぞろぞろ渋谷駅まであるかせ実現。
 これがね、やばいのです。まあやさいやの冬は鴨鍋と言うのは基本的に季語と言うか枕詞と言うか、有名ではありますがここ数年なぜか食いっぱぐれ続けておりましたが、いやぁ! まだ今年はフレンチ系ジビエ行ってませんけどそして鴨というだけで野禽じゃないだろうけど、これはもう日本が世界に誇っていいのかと!
 前菜に出てくる数々の野菜料理(アスパラのお浸し、干瓢の白あえ、湯葉、揚げ麩etc)の、レベルにイヤがおうにも高まる期待。アスパラだけでも、もう三十分もつくらいに皆様から感激の声。そして出てくる鍋に、せせりのタタキで作ったつくねを投入し、皿に並べられた鴨肉の分厚さ、なにより箸でつまむとその、官能的とかいうべきか、みなから声が起こるくらいの柔らかさと弾力に一同、肉を一人ずつ摘んで回す(アホ)。焼き葱とお麩、削ぎ切りした白葱を甘めの出汁で煮る。
 もうね、脂(写真参照)が。ひとくち、口に入れてはみんな天井を見上げていたよ。
 「うまい」「やばい」しか、ボキャブラリなくなる中、終了後の粟米と玉子の雑炊が、一杯目と二杯目の味が違うとかもう(一杯目は粟の弾力で意外とさっぱり食べさせる。二杯目で出汁を吸って円やかに雑炊らしくなる)細かいことにいちいち感動して、酒まで一合だけかっ喰らって、放心状態で店を後にしました。いつも置いてる池田の酒・呉春が切れていましたが、十分でした。ノックアウトでした。てかまあ、この数週間にろくにごはん食べていないせいもあるんだけれど、日本人らしい喜びを久々に堪能できました。いやー、食事って大事! もう、いかに荒んだ生活していたか、身体で感じましたよ。舌もなぜか急に痛まなかったし。
 で、帰宅途中に湿疹だして倒れるわけですが。ここしばらくの毒が出たのかしら。

*1:切り絵のアーティストさんですが、切り絵って手法のせいなのかまるで彫刻作品だと思った。美しい。作家本人もちょっと驚くほどに美しい。