21c美術館・再び

pesce2005-05-03

 昨年秋のオープン以来、二度めの金沢21世紀美術館訪問。4/29にオープニングだったSANAA展、同時開催で世界の美術館展、どちらもよかったと思います。個人的に妹島さんのインタビューをあのタイミングでやっていたこともあるけれど、彼女の作品の建築毒性の希薄さが好きですね。いや建築雑誌つくっていたけどなんつうか、いわゆる建築的な考えやら世界が苦手だったので。っていうかアレ(X-Knowledge HOME)建築雑誌じゃないって声も高いが!
 特にアートファンでもなく、仕事でもなければ滅多に美術館やギャラリーに足を運ばない文化性の低い人間ではありますが、心地の良い空間は好きなので海外で時間があれば美術館を眺めにはいきますので美術館展もなかなか嬉しい企画で。実際、美術館に行ってもあまりその建築や作品を鑑賞すると言うより空間の密度をぼけー、と流れてみる(その密度や温度の変化によって立ち止まったりスルーしたり)ことのほうが多いので、何があったとかあれが良かったとかは実際、聞かれてから考えないと何もでてこない。いいじゃないか評論家じゃないし、と思いつつ。
 金沢から、のちに日本海側をサンダーバードで北上、北陸本線で更に北上し、富山湾を一望する生地(いくじ)駅へ。実はここに我が畠山家の本家がある。現在の住職氏は私の父から見て従兄弟にあたる遠い親戚となるけれども、祖父の思い出話などをし、祖父の遊んだ本堂や庭をみて市内の案内をもらい不思議な郷愁を覚える。この街は黒部立山連峰からの湧水が豊かな、いたるところに共同の洗い場・水汲み場があって同時に海も近く河も多い土地で、駅前から車で送られて寺に入り、落ち着いた頃に市内散策にと外にでた瞬間、周囲を取り巻くホワイトノイズのような水の音に驚かされたほど。曇り空の日本海翡翠色だったけれど、この季節から夏にかけては天気が良ければ蜃気楼もでる。
 寺としては建物は明治初期に建て直されており、開山時はうちの先祖ではなかったはずで特別珍しいものも歴史もないが、米百俵にでてくる盲目の僧がうちの一族のものであった関係で数年前にちょっと話題になったりして少し前まではその紹介がニュースサイトなどのログで見れた。生まれてから今までほとんど交流も途切れていたけれど、歴史を知っていることと日常使う姓のためもあり帰属意識は母方よりもこちらに強くあったと思う。ともかくなにか、やり残していたことを果たしたような安心感。

ということで4/20の帰国からも結局、東京にほとんど帰らず数えてみると6日しか自宅で寝なかった4月も終わりようやく自宅で仕事するぞという皐月です。ゴールデンウィークってなんですか、なんなんですか、なんのつもりですか。まったくそういうわけで、ええ。ネットの世界にあまりタッチしていない日々なんでブログとかなんとか、役割とかよくわかりませんが今後ともゆるくよろしくお願いします。