ゴールデン!

pesce2007-04-28

 ともかく連休という概念はないこの10年ほど。基本的に何もかもが仕事であり仕事ということの定義自体が多分少し他人よりおかしいようなので基本的に何もかもが遊びとも言える。もちろん、社会的義務としての部分をすっ飛ばす言い訳ではなく、ただ社会に関わり人々の目に新しいものを映すこと、そしてそれが善きものであって欲しいという願いは、偽善的に響きがちだろうけれど確かにある。次から次へと人を繋ぎ才能を流動させ、私が見てみたいものを見るために。よく出来たエンタテインメントを享受するときにも、その仕組みとそれを自身の手法へ反映できる部分はないか、ついつい観察してしまう。メディアはエデュケーションシステムだということを、学生の時分から言い続けているけれど同じ目線でこの仕事に就いている人と出会うことはとても少ない。逆に言うと珍しく出会う幸運にはとても感謝できる。
タイアップもあれば競合誌への目配りもあれば、出版屋としての立場を全うするよう動く場面はもちろん基本なのだけれど、心になにを持っているかと足をどこにおいているかということにある程度は意識をもちたい。

ビールのプーケットのデザインを見て学生時代によくいたカフェ、に、貼ってあったポスターを思い出す。南国の鳥たちが空へ向かって飛び立ち"Don't worry, Be happy"とだけ書いてあった。シャラシャラ鳴る貝のウィンドチャーム、楽園なるものを心に浮かべるだけで少しそこに触れたような気持ちを得る。そのビールを手がけた本人が、この店にも置いてあるんだよね、とにやけながら手に取る、それにつられて私も笑みが漏れる。そしてふたりでそれぞれの職場へ。少し土曜日。