視界の高低

pesce2007-05-28

汐留ロビー階にて、急ぎ駆け込むと少し先の視界に今日の用件の相手の背中が。名前を呼んで駆け寄るが、電話中な上に反対の耳にはiPod、であと1m届いていない。片手を挙げてぐっと足を踏み込みもう一歩駆け寄る刹那、かくーん、という効果音とともに10センチヒールのマックイーン白パンプスが脱げ気躓くように彼の背中を突き飛ばす。非常に雑多に人々の交錯する、そのうえジュリアンオピーの電光板人間も淡々と歩行する中、声かけた相手も電話しながら「どしたの」という目をされ周囲が一瞬こちらを囲むように止まり、親切な受付の方が靴を持ってきてくれ、すすすすみません、と、ともかく相手を捕獲したまま受付を済ませフリッパードアをくぐり何事もない顔に戻すまでの数十秒。なんでこう、陳腐なテレビドラマのラブコメ的な瞬間に出会いやすいのか(経験値的に)と頭の片隅で思ったまま打ち合わせに突っ込む。といいますかマックイーンの靴も買ってから時間がなくてサイズの調整やら靴裏のラバー裏打ちやら色々やってなくて危険な状況だった。ただでさえここんちの会社的には派手な格好を(最近はパンツスーツに逃げているが)している(弊社的には地味ですが)ほうなので。

そんな日常ですがみなさまお元気ですか。

色々とドラマにさりげなく、ギンギラギンにこともなく、過ぎていくだけの日常です。や、ベースは校正してたり原稿書きながら夜明けを見るまで編集部とか非常に地味ですよ。ただどんな場所でも相手でも要請があれば出かけるので時折えらいことを見るだけで。書けないし書きたくもない事柄が多いのと、ここに書くときは大概、自宅の落ち着いた自然光の中で花瓶の花を見遣りながらなので、現実の事象についてはなかなか想いが及ばない。

最近、受け手としては一年間、紙媒体(しかも自社媒体)しか見ていなかったような気がして、業務上のこともあり電波から本からイベントから展示会から映画から、なるべく多くのメディアに触れていくようにしている。テレビなんぞオリンピックとワールドカップチャンピオンズリーグくらいしかつけることがない状況でしたが夜に自宅にいる時は流すだけでもつけてみている。そしてついにiPodを買った。いまさら? もとうに通り過ぎている時期だけれど基本的に外にいる時はその場に流れている音を聞き逃したくないのだ。有線がかかっている喫茶店などはなるべく避けるし(で、行くと有線で何がかかっているかをとりあえずチェックしているし)、音楽を持ち歩いてもしかたがない。仕事でチェックしなければならない音源というのも、音楽ページ担当だった時代にはまだiPodはなく、サンプルはテープで送られてくる時代だったのでCDウォークマンも使わずで。ただ、趣味で聴くのと違う聞き方というか多くの受け手がそうやって聞いているやり方や音質に少し慣れたい気持ちもある。なので、自宅にあるような音源を入れることはまずないと思う。オリコン系のものとかがはいるんだろうな。あと仕事関係で送られてくるサンプルもそれになるだろうか。深夜の編集部とかで聴くか(でもそれならPCで聴けばいいのにとまだ思っている)。ちなみに買ったのは赤いやつ。PRODUCT(RED)のものだ。この関係のグッズはしばらく手元に増やすかもしれない。や、貢献するためとかじゃなく。

今夜はルバロン行くかなー。昨夜久々に病院帰り帰社途中、銀座のバカナルに入ったら原宿店の時のスタッフが寄ってきた。ヴァンショーとキッシュロワールをいただいて雑談。ここのところ仕事があとにあるのと一緒に飲む相手が禁酒なのでワインは久々に飲んだ気がした。パーティでも最近の振舞い酒はシャンパンばかりなので、本当に飲んでない。あと一週間もすれば、どこかに着地するはず。寝る前にブルーノムナーリのヴィジュアルコミュニケーション講義録をちびちび読んでいる。本を持ち歩く余裕がなく企画書とブロックメモが専ら。ともかく時間は過ぎる、今年もあと半分ほど、また違う光景を目指すんかな。