酒と泪と男と負け犬

pesce2007-06-27

うまくいっている時ほど、足元を疑えというのは、まあ自分の人生の常に決まるオチみたいなものですからだいたい慣れては来ているのですけど基本はプライベートでのことが多かったのだ。が、今回、仕事についに影響を及ぼし始めたので真面目に考えなければならんという状況に。基本的に自分自身が面倒な人間なのでせめて自分の対応でなんとかなるところは面倒にしないように、大概の瘴気というか構造から生まれる不満ガスの抜き先がこちらでも、息を止めてあとで深呼吸すればいいやぁ、と平たく言って流してきておりました。でもそうすると、どうしても流されないように工夫するのも人情らしくおそろしく直接的な手段で足元をすくわれることもでてきまして。人の世の面倒さに山道も歩きたくなるものですが、残念ながら銀座には山道がない。
仕方がないので、自宅に植物を増やしたりしているのですけれどそれだけだと、職場に出たくなくなるので余計困り物です。はっきり言って就業時間中にさぼったことは一刻もないのだけれど皆さんの知っている企業にいくか皆さんの視界に入るところにいないと、仕事していないと言う事になるそうです。というかこういうこと言っている時点で会社員に向いていないんでしょうが、しかし編集者に向いていない行動とは思えないわけで。社員編集者とは何ぞや、と思うわけで。
経済学者の父が唯一言ったかっこよい言葉は「研究者の仕事は、それぞれに考え抜いた理想や夢(とする社会や結果)がまず先にあって、それが正しいということを検証し証明するために梯子をかけていく作業だ」とのこと。経済史を専攻とする父がひたすら資料を集めに東奔西走しているさまがいまいち理解できなかったのだけれど、ああこの人にも情熱というものがあるのね、と思った時だった。既に手元には存命中に発表しきれないほどの資料があり、だから一日でも長生きをして一頁でも形にしたいのだと、日々ひたすら健康っぽいことを欠かさない。毎食後ビタミンやらなんやらサプリメントを30粒ほど飲んでる、添加物のある食品を口にしない、酒煙草はダメ、一日二キロの水泳、寝る前に養命酒。それ却って不健康……と言っても30年これを続けているので仕方がない。せめて精神的なプレッシャーの除去には協力しようとフリーランスの頃は旅にも付き合い、誕生日のひとことも忘れぬようにしたものでした。来月誕生日だなどうしよう。
さてそれはさておき、編集者的にも理想やら届けたいものがあってそれを誌面に載せかつ伝えるために、企画を練り言葉を練りスタッフを吟味するわけです。しかし誌面に載せたいものや理想や理念が抜け落ちたまま、ページを埋めることの方が実は簡単だったりするので、それが苦々しくはなるのですね。得てしてその方が効率が良いから。真似事と聞いたような言葉と、意図や思想なき「かっこいい」選び。モデルも店も服もキャッチもデザインも。そこで粘るということ自体を理解してもらえない場合、やはり説明って必要なんでしょうかね。最初から方向性が違う相手でも。内ゲバって本当になんていうかね、会社に対する最悪の背信行為だと思うんですけどね。仕事に私情を挟むのは勝手だけれど陽性のものだけにしないと仕事の邪魔だから、真面目に。つうことで、シカト〜私物損壊〜根も葉もなき噂〜誇大報告など女子高びっくりな女社会です。ボスに忠誠を誓うためかアシスタント娘がタメグチをきいてくるようになったんでいい加減、たしなめました。大人の女は美しい、と某誌特集は売れまくりでしたが、男がいないと女はかくも醜くなれるものなんですね。男社会もそうかもしれませんが。大人になりましょう、Let's be Adultyと某誌が特集したのは休刊前号でしたか。まずは自分、がんばってみます。おいっす。