Good-bye Privacy

pesce2007-09-15

友人に「リンツにいる」と言ったら「チョコレートお土産によろしく」と言われた。それはスイスのチョコレート屋の名前であって地名ではない*1。都市としてのリンツオーストリア第三の都市でありドナウ川のドイツ側からの船旅の終着地や中継地であったとおもう。最初に行った時に調べて以来なので適当だけど。この街にみやげ物と言えるものは多分、ない。ブルックナー超好き、とか言う友人がいたらポストカードのひとつも買うかもしれないけど。
ともかく、この街にArs Electronicaがなかったら8割方、一生縁のないままの土地だっただろう。暇ができてドナウの船旅でもしなければ。小ぢんまりしたヨーロッパの古い街と言う風情は好きだけれど。と、いうことで数年ぶりの訪問。それでもhatenaの初期のほうに前回の滞在も書いてあるか、探さないけど。とりあえず、朝食のゆで卵の茹で具合が自分内セカイ最高であるWolfingerホテルが事前に取れないしユーロが高いしと、Accorカードで貯めたポイントを使って結局Ibisに泊まるが、実は当日押しかけても無理言えば従業員用のめっさ小さい部屋に泊めてはくれるのだ、従業員用とはいえ狭い以外はそれなりの部屋に。それを忘れていた。ゆで卵食べ損ねたことのダメージが大きい。しかもほとんどのイベント会場から最短距離である、次は断られても押しかけよう。
さてそういうわけで、今年のテーマは"Good-bye Privacy"ということで、ネット上の個人情報保護やら携帯電話やオンラインネットワークでの位置情報提供やら、まあそういうの? と思っていて、まあそこにSecond Lifeに代表されるアバターやらのヴァーチャル世界とリアルの世界みたいなのも乗っかってきており。出し物的にはやはりSecond Life関係が今年の目玉(Festival Galaでも主催者らがアバターで登場したりした)だったし、SL内と同じく頭上に自分の名前を浮かべて歩き回るインスタレーションというかレクリエーション(自分で透明ボードに名前を張り、針金でカチューシャに取り付けて作る非常にアナログな遊び)では、子どもたちはさておき、わかってやってるか微妙なひともふくめ、けっこうな人数が名前を晒しながら白昼Linzの街を歩いていた。
もちろん主催者側のイベントはテーマに沿ったものが多く、公開チャットやら公共の建物を使ったLighting Taggingみたいなもの、前述のSL関係などだったけれども、OK Centerなどでの展示はコンピューターアートが基盤のアイデア一発勝負ものが基本。いや、くまなく丁寧には見て回っていないので、そうでないのもあるかもしれないけど、自分のイメージとしては洗練された全体性よりパンキッシュな驚き(ショック)が重視されている感じがする。まあ基本は電子アートオタクの世界選手権なので、グランプリ受賞者が一堂に会しても威圧感はゼロで、どこかへっぽこ感が愛らしい。そうとう人種は入り乱れているけれど、ひねくれていてメガネで人の目を視ずに喋りだすと一気に距離を詰めながらまくし立てられ、口説かれているのか議論したいのかわからんので適度に切り上げると捨てられた子犬のような目でついて来る、という共通した態度がアーティストに多い。そんなうちの一人で数年前に日本の科学未来館で会ったことがあるノルウェー人アーティストに再会して空港までタクシーシェアした。
「今度ソウルで展覧会やるんだ、ホテル用意するから来てよ!」「……隣国つうても、地続きじゃないんだよ日本は」
と言う会話でしめた。うん、前回から進歩がない口説き方指差し確認オーケー。あとから写真のサイズ調整がうまくできたら幾つか追加します。fotolife使うと、まんまのサイズで出てきてしまうのはなぜ。

*1:ちなみにチョコレートのほうはチューリッヒ、そして現在キルシュバーグ