マジック・マジャール

pesce2007-09-17

ドナウの真珠といえば? ということでマジャールの国へ。いつか時間が潤沢にできたらパッサウからウィーン、リンツ、そしてブダペストなど船旅で回りたい。いやすみません、某マンガの『ドナウ文明説』なんかのせいもあります。まあそれはさておいても、この川の通る10カ国のうち4カ国の川沿いには訪れているので、この際、制覇したい気もする。特にモルドヴァルーマニア。なんとなくウクライナスロバキアはどうせ行くと思うので。生まれた街のせいか、そんな遡らなくてもいいのか、でもまあ大きな川のある街が好きではある。ボンはライン川ボン大学ミュージアムストリートがあるから好きだ。アルルはローヌの河口だから好きだ。それだけではないけど、まあ大きく影響はある。
ちょうど機内で持ち込んだ試写用DVD『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』(邦題が長すぎる。英題はChildren of Glory)を観た、題名どおり56年のハンガリー動乱。『白薔薇の祈り』のようではあるけど、こちらの方が歴史的事実を基にした「フィクション」の度合いが強く物語として強い。首都ブダペストを舞台に体制下の東側諸国の初期動乱の季節を描いている。物語中で政治的な事態がいくら好転したかのように見えても、89年までの歴史を知ってしまっている我々には悲劇の前哨にしか見えないのだけど(まあ浦沢のモンスターなんかみたいな)、スポーツがどうしても政治にとっての道具である点など取り上げるのは良い。つうても『ワールドカップの世界史』で扱われたフットボールほどではないけれど。今年、同じく56年を取り上げたハンガリー映画が出たそうでそれも観てみたい。
ともかく、通貨名フォリントなどから少し予想していたとはいえハンガリー語は全く、わからない。スラブ系の影響を受けて入るけれど全く違うので挨拶すら覚えられなかった。いわゆるDobro圏ではない、ウラル語系らしい。北欧の一部などのその言葉は全く触れる機会がなく来たので久々にかなり困った。
とはいえ宿泊は散々ポイントがたまっていたヒルトンブダペストで、宮殿のあるペストの丘にあり客室の窓からはブダとこちら側の漁夫の塔が絵のように見渡せる。

またスタッフも流暢な英語だわ、ツアーできたっぽい日本人のおばちゃんはいるわで、風情も何も。ホテル前は観光スポットらしくわさわさ人がいてバンコクみたいだ。なのでタクシーで一気にブダの国会議事堂に行く。降りて、川沿いに敷地を突き抜けようとしたらミリタリーなひとが「出ろ!」とだけ(どういけばいいとか、一切の質問に全て)怒鳴りつけるので初めて、おお来たんだなぁハンガリーなどと思ったり。少し回って革命広場側にナジ元首相の銅像を見つける。橋ごと作られ佇む銅像マジャール旗が千羽鶴のごとく。背後から見ると見つめる先は自身を追放し死に追いやった国会議事堂である。

負の歴史を忘れない努力は、欧州のやり方が比較的好みだったりする。

さて明日が早いのでとりあえずここまで更新。書き足すか新たにエントリーするか。まあ旅行記だけど。