東欧見聞記

pesce2007-09-18

ハンガリー料理は辛いのだ。結構びっくりした。無知でした、と思った。おもいっきりぶっとい青唐辛子が、すき焼きの葱ぐらいのぶつ切りで入っている煮込みが出てきた瞬間には、まさかペッパーとは思わずにいて口に入れて噛み締めて、泣いた。ハンガリーワインは、好きなほうだけど*1、全く消火液としてしか役に立たない時間がしばらくあった。いやびっくりしたって。

名物のグラーシュスープにも少し入っていたけど、目じゃないね。
欧州でこういう味に会う予想をしていなかったから、不意をつかれたとも言える。
落ち着いてからテラスを出て店内でポピーシードケーキとトカイワインをグラスでいただく。
まあ、現地のもの食っとけと。でも、あまり観光客っぽい人の少ない、ブダペストの若いスポットはこういう感じかな、といった店内。
普段は避ける雰囲気の店だけど、デュッセルの友人の勧めもあり、
オペラから遠くない細い路上一杯に占拠するテラスをかき分け、書店の隣のこの店に。

フォリントはユーロ移行中、と言う感じで全体的にインフレっぽい数字。まあ日本円だと思えばいいのだけど。そうすればほぼ同じ感覚(補助硬貨を忘れれば)。タクシーはけっこう適当だし普通にぼりますが文句を言う金額でもないという感じで。日本でだったら言うけどな。
部屋からライトアップされた夜景を眺め、酔いに任せ寝る。
翌朝また、絵のような光景、だがまあチェックアウト時間くらいに出ないとフライトを外しそうだったので
適度にパッキングをしているとチェックアウト10分前くらいに内線音。
何かと思うと昨日到着と同時にルームサービスを頼んだら、なかなか持ってこずクレームいれたとたんにやってきた丸顔スキンヘッドに丸メガネにちょび髭という誰でも似顔絵のかけそうな人懐こいスタッフが、ハンガリーワイン一本丸ごと「ホテルからのサービスです」とつけて、10分後にまた来てフルーツ盛り合わせを豪快に置いて「これは僕からのサービスです……Beauty(頬を赤らめ足早に去る)。」という、ナイスオチをくれた、その本人。
「あの、あなたは今朝の朝食をとらなかったように思うけど、もし、よければフルーツとか、パン、甘いデニッシュ、……コーヒーやら紅茶、好きならワイン、そんなものとか。玉子とか、いまなら何でももっていきます!」と、つたない英語で。
いや、15分でチェックアウトなので、ええと、じゃあ紅茶だけ、一杯。
「最大でも五分以内でドアの前に行きます!」と、
三分後、ドアを開けると紅茶の乗ったトレイにそれよりもでかいバラの花瓶が。
「Beauty、もう去るのですね。あなたがブダペストを好きになってくれますように。」
なかなか去らないので、また来るよ、一日じゃ短すぎるので。その時には観光計画の相談に乗ってね。
とメアドを渡したら「メールをしても、許してくれますか!」と、叫んで戻っていった。
紅茶を即飲み干してチェックアウトして、空港についてメールチェックをするともう来ていた。
「beauty、あなたは部屋にモカシン(履き潰したので捨てたスリッポン)と、ブロークン・ハートを残していった……」とだけあり、オレンジジュースを噴く。

まあそんな、平和なオチがついてミュンヘン経由で帰国。
空港はもうオクトーバーフェスのみやげ物があふれていた。

*1:モルダヴィアワインもそうだけど、こっちの赤のざっくりタンニン、けど重くない、フランスワインと全く別物の飲み物感が特に好きだ。パリのカフェでもたまにそういうのあるが