鍋とピアノとスウェーデッシュ

pesce2008-04-13

ちょっと『嘘とセックスとビデオテープ』風、でもないですね。タイトル。隣り合わせた例のスウェーデン・ジャズメンと夕食の約束をしていたのを思い出す、この二日間の無理がたたって眠り込んでいた日曜午後。
えーっと、と連絡を取って何食べたい? と聞くと「なんにしろ日本食だね、日本に来てまでヨーロッパの飯はちょっとさ(あっはっは)」と軽く答えられる。そーだよねー、と受け「15分後にもう一度連絡して、場所を伝えるから」と電話を切り脳内サーチ開始。いま滞在している場所も自分でつかめていない外国人にややこしい場所は無理、電車などですぐ来れるかタクシーで1500円以内(EU圏なら10ユーロ換算だ)の場所、宿はどうやら目黒駅近隣。日曜、夜。
元飲食担当者の意地として、どこでも当たれるチェーン居酒屋は出したくないし行きたくもない。
それなりに美味しく、日曜営業でそれも、21時ごろでもやってる、日本食
できれば私もそんなに遠出したくない。
脳内グーグルマップスキャン終了、片っ端から電話、といっても3軒しか出てこず、
これがダメならもう六本木くらいまで来させて
グランドハイアットの割烹かなー。と思いつつ、三軒目の中目黒・元旦が繋がる。
八時半からお願いします! と切ったところで「どこいけばいいー?」暢気に電話。
とりあえずホテルの人に行き先を伝え、出る準備。
そして同時に、中目黒ならばと、代官山在住の南さんにも連絡をしてみる。
日曜の夜にいきなりで恐縮、と思いきや二つ返事で一時間後に合流しますとのこと。
アンダーシュも鍋は初めてだ(シャブシャブはあるとのこと)が、鶏肉がいいと言うので
なぜかキリタンポ鍋に。濃い味噌味、でもまあ北の地方の料理なんだよ、とか解説。
その後、ヨーロッパを旅していると何故かお互いアメリカ人からアメリカンコメディとしか言いようのない
すごいシチュエーションを授けられることが多い、などくだらない話をしているところに南さん登場。
お互いの知ってる人の確認などでやっぱり一人ずつ介してほとんど繋がってた。
音楽業界それもスカンジナビアンジャズ、そして日本に関係が深い人たち、という狭い世界なので当然なんだけれど。
お互いピアニストなので、誰のどの曲でピアノを弾き始めたかとか影響を受けたかと言う話でえらく盛り上がり、深夜まで。
南さんはちょうど、アルバムと初エッセイ集が発売されるという。
とりあえずその『白鍵と黒鍵の間に』(まだデータが出てこないけれど小学館より5月15日発売)の表紙を見せてもらう。
あらそんなグールドみたいなじゃいですか!(言いすぎ)渋い〜、などと言っていると
冒頭だけ読ませてもらえる。
高尚な音楽論でも語りそうな表紙と打って変わって、いきなり南さんが20代のころ
銀座のクラブでピアノを弾いていた時の思い出が、飲みながらご機嫌に話している南さんの
まんまの勢いとおおらかさで語りおろされる。
そんな始まりだった。
そしてアルバムについては初のスタンダード集となる、"Someone in Love"。タイトル曲ももちろん収録、好きな曲。
これは、えーと、あのひとが、固有名詞出すとなんな、
へその緒が首に絡まって生まれる前に臨死経験をしたのがいまの性癖の原点だ
と言ってはばからないサックスも吹く元・有名ブロガー(笑)
菊地さんがライナー書いてますけど全く音楽のことより本の出版の話しかしていないので、
その点は了解しておいて欲しいところ。
あ、でも作品はとてもよいのでぜひ皆さん買いましょう。本とセットで。
そんなこんなで雨の中、帰宅したら午前三時。花散らしの雨だ。

Like Someone In Love

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