最終日

pesce2008-04-18

というか一般的には、こっから本番なんだろうけど週末。アップに時間があき過ぎて、なんか文章がアレな感じの前日分。アップ直前に全部、消えたからだらだらしてしまったのですが。ということで、さっくり行きますー。さて昨日分で指摘したINTERNIの地図の間違いに朝からドツボりました、最終日。アパートから徒歩圏内にRICHARD HUTTENとFABRICAがあるのを見つけたので、とりあえず昨夜の残りのパスタを茹でて食べ、Cafe' CUCCHIには立ち寄らずにいつもと反対方向へGO。しかし、目印の公園はあるのだけれど一向にINTERNIの旗印が見つからぬ、ちゃんとした地図でも確認する。確かにこの広場のどこかなんだけど……リチャードよ。と、歩くうちに全然違う展示会場にさしかかる。逆にこれがどこか見てINTERNIマップでの現在地を確かめようとすると、この展示会場、道の真上に印刷されています。えーと。
とりあえず出て歩いてみると、少し先のはずのFABRICAを見つけ、そちらに入る。
植物モチーフのセラミックをプランターに植えていたりする他は、
Droogとかで見たような柄ガムテでのインスタレーション、あと騙し絵系の平面プリントもの、
ちょっと良かったのは吹きガラスでのテーブルウェア。
うーん、かわいらしいし、雰囲気はいいけれどもう少しオリジナルな感じがなぁ。


と思いつつ、さすがに一番近い展示会場のはずだしとRICHARD HUTTENはどこか聞くが誰一人として知らなかった。
いいのかFABRICA、若きデザイナーたちよ! ......と思いつつも
リチャードのことは忘れます! と、Droogへ向かうことに。
今年はトリエンナーレの脇で、幾つか他の展示も近いので……といくと、再び地図に惑わされかかる。
単純な場所だったので地図はもう見ないでひたすら徒歩でたどり着く。
こちらの展示のテーマ"A touch of Green"で、また全部独自なエコ解釈してるのがDroog、
いきなり鉄のフレームがあって「プラスチックバッグ使うのやめるのもいいけど、
結局私たちってこういうもの使うのでいいんじゃん」みたいなことが(超訳
書いてあるとかですね。コンセプトに走りすぎて全く実用じゃないのが
素晴らしいところなんですけどね。
このほか目に留まったものだとTouch woodというMinale-Maedaの作品。
木目調のテーブルですが木目が全面、刺繍です。シルク地に。同じのでソファも、
っていうかソファはフォルムが普通に柔らかそうなボタン留めで模様だけが木っていう違和感がメインか。
あと単純にユーズドの木を使って作ったテーブルですが
"Till death do us part"という名前で表面に決意が書いてあり
「人はまだ使えるものを捨てるから、これはこの作者が死ぬまで自分で使い続ける」ていうか。
いや捨てない技術こそエコですけどね。
で、入り口にあったアルミパイプを曲げて作った"Cosy Chair"ですけど
よく見たら湯沸かし器が後部にあって、お湯がパイプを巡回して手元のお茶も冷めないし、
足元のスリッパ置きでスリッパが温まるって言う。

見た目すごく座ったら痛そうなんですけどね、ええと。


とりあえず日本人客が昔から多いDroogさん、
やっぱりキャラクタライズされた形状、色やらコンセプトが突き抜けてる
(時々製品の意味を超えて)ところらへん、
かわいい〜ということなんでしょうか。
それを見越したように、年々お土産コーナーが進化していくDroogさん、
今年も点数は展示品より多かったです。
個人的にも一点欲しかったダンデライト、タンポポライトですが
フラジャイル過ぎる外見と自分の荷物を考えてやめました。
98ユーロ、誰かアムステルダムで買ってきてください。



この日は最終日とあって、場所が遠くていけなかったBALSの新事務所へ
えらくローカルなバスでたどり着く。
ショールーム兼事務所はとりあえず国内の全ラインナップ&
Amadana製品を揃えていてすっきりしている印象。
あとメトロじゃない普通の電車を使うと中心部まで15分ほどでした。
小田急線のロマンスカーみたいなごつい車両が来て、
このままどこか行ってしまうかと慄きましたが、二つ目の駅でもうリパブリック。
降りて二度目のレクサス(どんだけ好きやねん)に立ち寄り、
裏手で開催中のインゴマウラー先生の展示へ。
光の魔術師、不審者なくらいにボーっと眺めていたい作品群、ですが
新作のスネークライトは妙に東急ハンズが似合いそうで一般家庭にはどうかと。
誇らしげな告知文がありまして「我々のミュンヘンのアトリエが改築され解放されます。
それは素晴らしいでしょう、是非訪れてください。ただいつ完成かは正直わかりません。ありがとう」と。
……待ちます、待ちますよ御大!


夜からの雨で、ここからマンゾーニをもう一度歩いて抜け、
モンテナポレオーネからメトロでSt.Abrogioへ戻り、ミラノ最後の晩餐。
もちろん、Osteria La Carbonaiaにて。
最初に頼んだ炙り肉アーティーチョークのソテー乗せ、と、野菜の炭火焼、
白ワイン。かなりの客が予約無しで覗いては帰っていくので、さっくりと食べて
"Il conto, per favore~"、帰り際に今日が最終夜、と伝えると
調理場まで連れて行ってもらってみんなに"Arrivederci!"と見送ってもらう。
また来るよ、a dopo! と言って去ろうとするけれど
一番よく話した英語が使えるリストランテパラディーソのジジ、みたいなおいちゃんが
遠くからちら見するだけで、挨拶もさせてくれない。
まあ仕方がないか、と出ようとすると二重ドアの手前で
後ろから傘が差し出された。
返しても返さなくてもいい、とジジ(仮)。
マンガみたいにかわいいじゃないか、と思いつつ
「返しに来るから、a dopo*1だね」と言うと、ゆっくりドアを閉じた。
この街のレストランは正直、そんなに好きなところはなくって、
Lanzaのほうに一軒まあまあの店を接待用に
知ってる程度だったけれどやっと愛着ある店ができた。

*1:数少ないよく使うイタリア語、A bientot と同じ、see you. またね。またすぐにね。と言ったニュアンス