Paris vu par...

pesce2008-04-20

朝早く起きるつもりが、工事開始の音と共に9時半起床。曇っているからだ、と独りごちながら湯船に浸かりスケジュールを考える。とりあえず、Théâtre des Champs-Élyséesには17h開始なので30min前に。ちょうどホテルと同じメトロのラインでいけるし。Centre Pompidouまで回りたいけど、まあ月曜やってるところだから。先に押さえるは左岸方面、いいの、マンネリコースだろうと久々だから。
よしゃー、と結局は行き当たりばったり気味に目指せ左岸。迷っていたNotre-dame-des-Champsはちょうど工事中だったので手前のRenneに初めて降りる、とジャスト、そこから目当てのMarche Raspailというパリ最大のBio=オーガニック市場。嶋社長のところの『旬がまるごと たまねぎ』を熟読しておいた私としてはオニオンガレットの匂いを探りながら諸々物色。石鹸やらちょっとしたお惣菜、あとHerve曰く「ビオの食品は美味しいと限らないけれど、チーズは最高」とのことだったので、おばあちゃんたちだけで切り盛りしている店のシェーブルを2つほど購入。6ユーロくらい、安い! 結構あっさりとガレットを発見し、チーズ乗せを頼む。噂にたがわず、これは美味しい。頬張りつつぱらぱら降り出した雨の中をそのままラスパイユ方面に南下、途中ビオワインの試飲がありガレットにあうのと6ユーロと安かったのでグラス一杯飲んだつもりで、と購入。預け荷物がない私は持ち帰れないのですけどね。


ほろ酔いのまま市場が途切れ、見覚えのある街角。
自然と左折するとワンブロック先にChristian Constantの白い大理石のエントランスが見えた。
みるきぃイソベさんに薦められて初めて訪れて以来、できるだけパリの土産には
ここのショコラを入れている。ヴァレンタイン時期になると騒がれる一箱一万円とかするずうずうしさはなく、
周囲の環境と同じく静かにいつも同じ高いクオリティのショコラ、ケーキ類、お惣菜を
出してくれる。250gの箱で25ユーロなのでMaison du 某の1/3くらいじゃないかと。
新作のお魚型アソートと自宅用の箱、おみやげ用にオレンジなど少々。隣のカフェでケーキと紅茶をいただき休む。
そこから10分ほど歩くとFondation Cartier、確かパティスミスやってたかなーと
立ち寄ると大当たり。一階ではAndrea Branziをやっていた、これは偶然。
新緑の季節のこの美術館は映りこむ緑と色とりどりの植栽で、
そのガラスの城のほとんどを森の中のように消しこんでしまう。
光だけが残るような、なんだかんだいってJ.Nouvelはすごいなぁ、と
まだワインとチョコレートの抜けない頭でしばらく外から眺め、入館。
ブランジは透明感ある素材の壁面構成にに花を多用したいうインスタレーション
(これにパティスミスが材木を使ったパーテーションのような作品を提供している)、
花や葉っぱと組み合わされたアクリルやビニール、メタルが人工物と生命の境を消す。
そしてもうひとつ、細い木と、メタルとガラス、ビニール? をコンポジションしたような
非常に繊細で建築物と呼ぶには戸惑うような、建築。
木漏れ日を通ってくる光の中で眺めていると、包み込んでいるような不思議な感覚となる。


そして地下ではPatti SmithのLand250、彼女の撮り続けていた写真や旅に携えたビデオ。
旅の元となっている多くの文学や音楽作品。それらが散らばっている。
ビデオの前で彼女の声に引き止められる。真上に水平に設置されたスピーカーから
彼女のささやくフィルムの中の旅、ストーリーが降り注いでくる。
私が最初から最後まで見たのは、彼女がArthur Rimbaudに傾倒するきっかけの
Une saison en Enferの展示を前にした、ランボゥの家や墓や、
生まれ育った場所などを辿り墓石に寄りかかり、裏庭を探検し彼の視線を探るような一節だった。
出口で偶然、Les Soirs Nomadesのチラシを見て、今夜21時からあることを知り
目の前のスタッフに聞いたところチケットは売り切れていると。
そういわれると余計に行きたくなるのが人のサガ。
今回は週末だし、と遠慮していたディレクターのHerve Chandes氏に電話をしてみる。
「久しぶり、今夜のNomadic Nightは来るの? もしそうならそこで会えればと思ったんだけれど(姑息)」
「いま、パリなの?…今夜誰だか知ってる? トン・ヴェルレーヌ、知らない? ビッグネームで5分で売り切れたチケットなんだよ。
来るならリストに入れるけど。終わったあと飲む? それならいいよ、30分前に来てね」
よっしゃー。
この時点で、聞き取れなかったアーティスト名は多分フランスの有名な人か何か、
ということになってオデオンからRue Dauphineを通り、馴染みの雑貨屋と
小さなパサージュを回ってポンヌフを渡った頃にはもう16時。
そのままメトロでホテルに帰り、着替えていざSylvie Guillem et Akram Khanへ。