CDG to NRT

pesce2008-04-22

朝食をルームサービスにして、昨日買って冷蔵庫に入れていたビオマルシェでのドライカレーを一緒に食べる。野菜が美味しい。さて帰京する日というのはともかく荷物をまとめることに全力投球する。というのも機内持ち込みのみ、を基本としているので(待つの嫌い)お土産も資料も本も雑誌も、厳選しきらなくてはいけない。東京で手に入るものは捨てるか人にあげる。新鮮さが重要なものなら持ち帰るけど(京都の錦で玉子焼きとか買うのも同じ)。ガイドブック系はたいがい捨てていく、地図(それをもとに歩いたなら、記憶を辿りやすいから)とか気に入ったページを切り取るくらい。基本は出かける時点で荷物が少なすぎるので、これだけでほとんどは機内サイズまで縮小できる。重たいことが多いけど。
コンタクトケース、化粧ポーチ、着替え、本か雑誌、充電器やプラグ、パスポート(普段から携帯している)、
カード類、腕時計、ペンと手帳、ケータイ、カメラ、iBook。盛装用の靴の替えを一足、
これ以外は必要であれば現地で買う。都市部に行くならこれで十分。
多くの旅行者がなぜスーツケースのサイズほど荷物があるのか不思議に思っている。
一週間程度ならボストンバッグで十分。仕事の出張だと、資料とか機材とか現地のスタッフへのお土産とか、
見本誌だとかまあそれなりに膨らむけれど、でも機内持ち込み可能。
さて、ロワシーバスの発着地からそう遠くないこともありホテルに荷物を預け、
近所にあるはずのドミニクブッシェさんのお店に立ち寄れず場所だけ確認してCentre Pompiduへ。
有紀さんから電話で少し遅れるとのことだったので、あとで立ち寄る予定のPotage du Maraisを探してレアル付近をうろうろ。
久々に通るなぁ、などと思いながらポンピドゥにたどり着いてしまう。
中を見る時間はないので、ミュージアムショップをひとまわり。うーん、残念なことに
見事にほぼ全て東京で手に入る場所を知っているものや、既に持っているもの、
過去に誰かに買ってあげたもの。Koziolの特集をやっていたときに以前、偶然立ち寄ったことがあったけれど
ああいうのまたやってくれないかな。定番のスノードームは幾つかあったけれど……持ってます。
Koziolの星の王子様スノードームはレアものだったらしく偶然二個持っていてひとつは昔あげてしまった、
展示の際にはガラスケースに入れられて飾られていた。
あげた本人が大切にしていてくれることを祈る。
待ち合わせのカフェに入り、スツールに腰掛けてお茶を飲んでいると、
反対側からベビーカーを押しながら有紀さん登場! あら! Nikoちゃんも! 
大きくなったわー、髪の毛が伸びたせいで女の子っぽいわ。ジル(旦那)にも似てきたねぇ。など。
実は昨夜熱を出して、念のために病院に行かせるので保育所はお休みにしてしまったのだとか。
テーブル席に移って、話しかけるとVサインをだす、二歳になったから「2」なのだそう。
有紀さんのフランス語も完璧になっているので、フランス語なのかと思いきや、
ママとは日本語、パパや友達とはフランス語なのだそう。なぜか、その区別が付いている。
本当はフランス語のほうが得意なので、ママと喋って言葉が出なくて「うぐ、うー、あぅ」となっていることが時々あるそう。
有紀さん自身はフランス語、ドイツ語、英語、日本語、ジャワ語? がほぼ完璧なので、
Nikoちゃんもマルチリンガルになっていくだろうか、羨ましいなぁ。
馴染みのある言語は多いほうがいいと思う、旅や人が好きなら。
言語、言葉の使われ方やその成り立ちで、理解できる文化や生活に根ざした思考法が多くあると思う。
宗教や建築を見るのも同じ。

さて小さな姫は他のテーブルや食べ損ねたフルーツや、我々のカップの中や
美術館のオブジェに興味心身で転がり、見つめ、掴み、口に入れ、質問しと忙しい。私たちはその合間に、
今の東京はどうかとかパリはどうかとか、雑誌は何が元気かとかそれぞれの街での生活についての話をさしはさむ。
二年前までは一番、彼女に会いに来る日本の友人だったのだけれどしばらく空いてしまったので、色々と新鮮。
先ほど話していた店に行ってみようということでポンピドゥを出るときに
彼女の保育所親仲間と出会う。そうすると有紀さんはもちろんフランス語なのだけれど、
Nikoちゃんはどうするかと思っていたら喋らず。遠慮? 会話はある程度わかるようで
双方をニコニコ見ていた。で、センターすぐ裏のpotage du Maraisを覗くとなんと閉店。
看板に大きく「Service non-stop」とあり、ドアの張り紙に営業時間変更のお知らせとあって、
そこには土日のランチを休むことにしましたが、他は無休で営業中。……今日、月曜の昼なんだけれど。

有紀さん曰く「これがフランス式ノンストップだから」まあ、慣れていますけどね。
有紀さんは数年前も「ここは発展途上国だと思えばストレスにならない」と日本の便利すぎるほど便利で
丁寧なサービスや公共機関そのほかの生活を評して言っていたけれど、まあ私もいい加減慣れた。
東京のほうが何か異常なほど便利なだけだと思う。
仕方がないので他のブラッセリーへ行き、なんか肉が食べたい、とタルタルステーキを久々に頼み
普段ならワインだけれど抑えて発泡水。預かってもらっていたフランスでの携帯電話を受け取って、
今度はそれほどNikoちゃんが成長する前にまた会いましょう、とタクシーに乗ってお別れ。
ホテルで荷物をピックアップしてロワシー発着場へ。相変わらず不便な第一ターミナルの
日本行きラウンジなので、ギリギリまであの長い遊歩道を通らず、手紙などを書いて過ごす。
ANAパリ線エコノミー席ではいつも指定する45K(後ろがパーテーションで荷物を置くにもリクライニングにも気を使わない窓際)
に落ち着き、不本意にも機内食を食べてから落ち着いて窓の外を見ると満月。
雲の上をまっすぐに視線の高さで転がっていくような真っ白な月を眺めながら眠りにつく。
高度9000mの観月。