アカサカサカス

pesce2008-05-14

ケトルさんの移転祝い(引越し蕎麦打ち会)に、初めて飲食店レセプション以外でこのビルに乗り込む。がっちりエレクトロニックにセキュリティ、な感じのオフィス棟エントランスに青い法被の人がいますよ。受け付けお疲れさまです。それくらいのテンションだろう予想はしていましたが、Kettleオフィスに足を踏み入れてどんくらいやねん、と素で驚きました、ってかまあここまで自由に。。。


社内(とはいえ一応、博報堂社内の一角)にバーカウンター、ビアサーバ常備、
とかはビーコンなんかでもありますけどね*1。しかし強調されたこだわりは人工芝、
それも相当本気の芝。てかここ室内に見えないし。↓
ケータリング会社の方のお子さん。
それから歩いていって気づきましたが、オフィスルームにあたる円筒形の部屋は
一番奥の入り口の下に沓踏石が配置してあって「あー、これ。茶室か!」
ということは、オフィスルームの真ん中に釣り下がってるケトルは、あれ釣釜か!
と言ってみたらデザイナー君は、そうそうわかってもらえてよかった。と。
あと会議テーブル(円形)の真ん中につるしてあり「話題沸騰!」とか「アイデアが沸く!」
みたいなのも。と。最初はそっちだけかと思いましたけれどね。


他のフロアに顔を出せなかったので見てはいないけれど、
一応通常の社内は普通に想像される範囲の蛍光灯に
デスクがちょっとキレイめに配置されている感じの模様。
ここケトルも「今日はクラブ仕様」とのことで、蛍光灯もつきますよ! ちゃんと! と。
でも人工芝に茶室か! といいたい。思えば旧・田町でのオフィスは
元々あるスペースを割り当てられて、そこに大量のモニターとか(CC局もそうだけど)、
大量のやかんとか(これは明らかに気色が悪かった)、
そういうレイアウトで特色を出していたわけですけど。
ゼロから作らせるとこういうことが起こるわけですね。
デザイナー君(名刺もらわず名前失念)は現イデーかイデー出身らしく、
ケトルチームは当初、「イデーっぽさ=ウッド」と言うイメージ、があり、
それは避けたいのだ。なんかもっとチープでつるっとしたやつがいい。
というオーダーを出して進めていった。そうして完成したら、超ウッディだった(笑)。
とも。でも実際のところはそれで全然よい仕上がりになっていた。
なぜウッドっぽいのが嫌かというと、なんか偉い人が上品にきれいに作らせたような
完成品っぽくて、ケトルには合わないと思ったとのこと。
でも、これだけデザインで暴れているので、
これで素材もやんちゃだったらさすがに仕事にならんだろうよと思う。
オフィスルーム(茶室内)には、大きな窓に向かって置かれたソファコーナーがあって、
展望台みたいなそこは何に使うのかと思っていた。
けど、なんとなくみんなでそこの隙間に集まってきたら、小さなセルのような
居心地のよい空間になった。ソファに座ったり背に腰掛けたり床に座ったり(肘がちょうど窓枠の高さ)、
打ち合わせにも使えるし、昼はここでお弁当を食べているスタッフもいるし、
夜中に寝てるスタッフもいる(この日もいた)。
なんとなく学校時代に非常階段やら屋上が好きだったり、
小さな頃に家具の隙間が落ち着いたような、そういう「居場所」の多様さがある。
そんなことをデザイナー君と話していると、向かいのテレビ局を指して
「あっちからこのビル見たときに、あの芝生のフロアは何?
 蛍光灯の光の中で白熱灯のやわらかい光のあの場所は何? って
気になってくれる人がいたらいいなと思う。外からの目線と気持ちも意識したい」
と言ってからビルの肩にかかる月を指差した。
ああ、この前ロシア上空で窓の外に満月がずっといたよ、と話すと
「素敵だね」と言った上で、自分はCAさんに起こされて窓を見たらオーロラが出ていた。
3時間くらいずっと光のカーテンを横から見てたことがある、と。
窓が繋ぐもの、呼び込むもの、誘うもの、その役割は
メディアの考えにも繋がるので、結局その晩はその子と、のちに某メトロ誌の編集長と、
3時前まで話し込んでしまった。
赤坂の街はそれでもまだ、賑わっていた。

*1:ビーコンはKDaでかなりビビッドな。BRUTUSとかAXISのオフィスデザイン特集では常連気味ですね