TRANSIT

pesce2008-05-22

白夜から出ていた旅行&カルチャーマガジン『NEUTRAL』が版元を講談社に、そしてタイトルも『TRANSIT』に変えてリニューアル*1。そのパーティが青山Cayにて開かれた。記念トークショーとして、スープ尾原くん、TRANSIT編集長加藤さん、写真家のARIKOさん(『水こそ全て』号でアイスランドの氷写真を撮ってた)、あと版元からというか『クーリエジャポン』編集長氏。いずれも対世界、な視点を持ちジャーナリスティックな一面もある雑誌同士と言うことで組まれたのだろうけれど多少上滑った感も否めず……事前にすり合わせもーすこし、みたいな。まあ、かえって違いが引き立っておもしろかったですけどね、私は。

NEUTRALがジャーナリスティックであるというのは、
内容そのものが小難しいと言うより特集の組み方、テーマの切り取り方が鮮やかだと思う点。
なんせ創刊(2004年)の特集が『美しきイスラムと言う場所』だし、『水こそ全て』では水を巡り
氷のアイスランドからフランスはエビアン、と二号に分け各地を巡り
『パラダイスを探す旅』ではなぜか真ん中に諸星和己(かーくん!)のインタビュー
(言わずもがな『パラダイス銀河』)が挟まり。
まあ、最後のはさておき、今回『TRANSIT』もリニューアル第一号は中国特集だ。
はっきり言って、この時期。考え方によってはオリンピックに日和ったか、というのは
一般誌的にある時期だがこの雑誌を知っていたらそうではないと思うだろう。
中国へのバッシングが世界的に強まる中、しかし美しいものは美しいと肯定する力が
この雑誌にはある。ポリティカルな問題を挙げていけばきりがない、もちろん必要で
もっと世界に目を見開くべき(と言うことはクーリエジャポンの仕事だ)と思うけれど
同時にそれが目隠しをしてしまう、現実に中国にある美しいものたち、
優れた才能や素朴な暮らしと優しさ。それらまで政治的な問題で見えなくなりはしないか。
イスラムもそうだった、アメリカの影響下にある国では悪の枢軸とも言われた国を含む、
そしてなにやら不気味で恐ろしいイメージが植えつけられていったイスラム教圏やアラビア文字
その本来ある美しさを指摘した雑誌だったことが強い印象になった。
編集部自体は講談社ではなく独立したオフィスを持つ形になる。
最近、大手出版社で見られる傾向ではあるけれどこれをよい方向に使えるかどうかが
勝負どころだろう。ま、そんな肩肘張ってないとは思うけれど(笑)。
しかし『クーリエ』のADも尾原君ところでやることになったとは、ちょっと驚いた。
この秋くらいからだっけ、変わったら見てみよう。しかし講談社社員たちよ、もっとがんばれ、
と、一応は(他社)社員編集者である自分からは思う。
あまり詳細は突っ込まないけれど、冒頭に書いたトークではけっこう、思うところはあった。

ライブはtoe、そのあとDJはサイレントポエツの下田法晴。

*1:個人的にはこの誌名は中村屋さんとこの会社名と同じなので、ややこしーからどーか、というのは(笑)あるんですが。まあ、そんなに当人同士は仕事的に絡まない……こともないんかな、スターフライヤーとかやってるものね。まあ、別業種だしいいんですけど。