ペーター・ツントー

pesce2008-07-06

俗に言うピーター・ズントー御大の昨年作の作品を一気観しよう。と、この春よりブリュッセルで構造を学びながら働いているランドスケープデザイナー? で、いいのかな、土木デザインで頑張っている渡邉竜一くんと、朝11時前に駅で合流する。巨大なカプチーノに、ああドイツだ、と思っているとやってきた。こんな近いのにドイツは初めてだといわれ驚愕。ヨーロッパ移住するまでほぼ来たことなかったそう。度胸あるわ。
カフェでお茶を飲んでいるともう列車の時刻が近づいたのでホームへ。
DBは本当に合理的というかシステムが判りやすくていい。
REでのんびりEuskirchehまで。
駅前のタクシー、もちろん一言も通じないので、明け方に起きたときに
思いつきで手作り指差し会話帖(笑)を作っておいて良かった。
Wachendorfに行ってください、と。でも、そこからは風景を頼りに探す。
というか情報がなかったし! 
案の定、タクシーの運転手に浸透しているレベルでもない。
ともかく写真で何度もみた、麦畑が広がってその先に美しい素焼きの
四角い建物が見渡せるはず。
Wachendorf村の中心地は、なぜか薔薇がどの家にも咲いていて美しかった。
しかしこんな住宅地ではない。運転手は"Kapel, Kapel"と
ゴシックな小さい教会を指したりするけど"Nein, nein","Korn"
(麦。麦畑と言う単語はわからず)、とそのうち村を抜け同時に金色の麦畑が! 
"Ja, Bitte, Bitte"と適当に道沿いに行くと、
情報にあった「車でいける最後の駐車場」を見つけ、同時に遠くに
かすかに長方形の建物が見える。1h30したら迎えに来て、
と14h発の時刻表を見せると何とか理解いただけた様子



さて、と歩き始める。歩いても歩いても。蜃気楼かと思うこと20分、
ようやく目に映るサイズが大きくなり始め、先客たちとすれ違い始める。
教会で一緒になった隣町の夫婦によると、最近新聞に掲載されたらしく奥さんが
「今日はこれに行かなくちゃ!(土曜朝)」というのでバイクで駆けつけたんだという。
そういえばドイツ人が多い、30分ほどの間に10人くらい来たかしら、
この何も無い驚くべきカントリーサイドに。
もし今後いらっしゃる方のために、マップを掲載しときます。
Peter Zumthor Bruder Klaus Kapel

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この右端にWachendorfがあり、iversheimer Str.沿いに駐車場(矢印)がある。
周囲に何もないことと、でかいドイツ人だらけの中で縮尺を見失いそうになるが、
どちらにせよ決して大きくはないミニマルなカッティングに、
柔らか味を感じる素焼きのような外壁。鉄扉をあけ入ると、
私でも少しかがむほどの入り口を抜け、
写真でみていたあの不思議な星空のような光降る空間へ。
村民たちと内側に藁を積んで、最後は焼き上げたということだったけれど、
その通気孔の天井と、壁に無数に開く直径5cmほどの穴、
その穴にガラス球が嵌め込まれ、青空を映し不思議な青白い光の粒が降る
ファンタスティックな空間を作っている。
内空間は天井の光に沿うように三角錐だ。聖人の彫刻と十字架や燭台、
聖書が小さく置かれる空間は5人もはいれば満員。
外に出ると初夏の光の下で、小さな女の子と両親がピクニックをしている。
非常にモダンな外見を持ちながら、全くこの光景になじんでいる。
低予算で一般人の依頼によって作られたと聞いた。
マテリアルとデザインの徹底した吟味だろう。




畦道を歩き駐車場に戻ると先ほどのタクシーが滑り込んできて、ジャスト! 
で帰路につく。15時にはCologne、ホテルに立ち寄ってから聖コロンバ教会美術館へ。