原美&きのこ

pesce2008-09-21

土曜日、午後から原美術館へ米田知子展-終わりは始まり
を観にいく。オープニングのときはちょうどいなかったのだ。
開催前の週にSHUGO ARTSで、眼鏡シリーズ新作
『見えるものと見えないもののあいだ』ブレヒトの眼鏡で
ベンヤミンからの献辞を見る、というのを見せてもらっていた。
写る文章は三文オペラ:人間の努力の至らなさの歌
http://jp.youtube.com/watch?v=W7IdcsIBDIE
からの引用だった。つまりはナチ台頭のころの文章だろう。
「人はもっとずる賢く生きなければいけない」の部分、
その引用文のベンヤミンによる手書きのものだ。
ご存知のように彼はこの後、逃亡途中ピレネー山中で自殺を遂げた。

Photo from SHUGO ARTS公式webより

この新作に限らず、眼鏡シリーズから”立ち上がる都市”、
”信じがたきものの断片”、”シーン”、”パラレルライフ”など、
全て通じて非常にジャーナリスティックな作品群だ。
スロウグラス*1のように、歴史の澱の向こう側にするりと出てきた
報道写真だろう。ユーモアの埃と花を添えて。
美術館のカフェでこの日のBreak Fastということで夕方にカプチーノ一杯。
のち恵比寿NADIFFに移動して、MAGIC ROOM???でアペリティーボを一杯

のち先日も書いていた神宮前L'ARTEMISに非常に久々にいく。
ご一緒したフクヘン。鈴木さんとの会話で、シェフ中田くんの
フランス時代の修行先がレジス"きのこの魔術師"マルコンだと
初めて知った。ラ・ブランシュ時代とパリでリヨン料理の店に
いたことしか知らなかった。
http://www.lunaute.com/lartemis/index.html
書いてあったよ。わー、12年知り合いだけど知りませんでした。
きのこ特集でマルコン行ったよー、と鈴木さん。
一緒の部屋に住んでたレストランの犬の話までして、中田くん嬉しそうだったな。
お茶の後にプティフールとして、桃フレーバーのオードヴィに
漬け込んだきのこ達、というのがあったりして、なるほど納得。
何もなかった村は今では三ツ星マルコン村と化しているそう。
やっぱり神宮前時代の食環境は恵まれていたんだな。
などと思いつつ今夜はまた自炊します、食材が余ってるので
レッドカレー

*1:ボブ・ショウによるSF小説で出てくる光の透過にディレイがある硝子。数時間前、数十年前に吸い込んだ光がある日反対側にようやく映り出てくるというもの