U-Tsu-Wa @ 21_21

乃木坂からよっこらせと、うつわ展プレビューへ。
音に聞く、89年の草月会館でのLucie Rie展のこと、
今回、はその再演、オマージュともいえる展覧会だという。
89年と同じく三宅一生による監修、安藤忠雄による会場構成。
そしてJennifer LeeとErnst Gamperlという新たな
”うつわ”の作家たちの作品と合わせ、単なる回顧展ではなく
Lucieの作品も共に21_21と言うこのサイトで更新されるような。
写真でしか観たことがないLucie Rieの作品が、89年と同じく
会場に張られた水面に浮かぶ。

この展示方法も当時と同じという。今回は会場自体も安藤忠雄の設計だ
かなり見ごたえある作品量だと思う。
それぞれの作家の資料もあり期間中は色々と関連イベントも行われる。

左はルーシーの陶ボタン。右、ひときわ目をひく鮮やかな色のうつわは
メインヴィジュアルにもなっている三宅一生氏所蔵の一品

82年に制作されたBBCかなにかのルーシーに関する映像ニュースも
壁に投影されている。ろくろが回るのと一緒に首も回るルーシーが
かわいらしいが、解説の学芸員が語る言葉で
「…そしてなにより、このような豊かな芸術であってもルーシーの
作品を手に入れるにはそれほどの金額を必要としないということも
素晴らしい点なのです。その美のために生活をなげうつ必要はないということも、
また重要な点でしょう」と言うくだりがあるのに隣にいた人と苦笑。
82年当時であれば……のお話でした。
もちろん今では生活をなげうたなければ、手に入れられない人も多く
なってしまったわけなのですが……。


流木や倒木から作品を削りだすエルンスト・ガンペールの作品。
木工ろくろをあやつり、木の節や歪み木目もそのまま生かしたフォルムが美しい

かなり人が多く入っており、三宅さんによる解説と共に進んでいく。
最後までいる時間はなく、残念ながらジェニファー・リーの作品は
あまりゆっくりと観れず。水盤の奥側半分が彼女の作品だったので
もう一度来る時間が取れればいいのだけれど。

真ん中くらいまで近付くのがやっとだった、向こう側がジェニファー作品
また今回、カタログ・ヴィジュアルを杉浦康平が担当。
それと同時に20年前のルーシー・リィー展カタログが復刻発売されている。

監修三宅一生、写真石元泰博、デザイン亀倉雄策 求龍堂
20年前のフォントデータなどがなく、原本から版下をつくった
本当に復刻ものだという。これは欲しい。