横浜〜渋谷〜吉祥寺

金氏徹平『溶け出す都市 空白の森』@横浜美術館
年始に横美に行った時ちょうど、記者発表をやっていた展覧会が開始。
正直このだだっ広い空間をどのように作りこめるのか
想像もつかないままだったけれど、見事に染み出し溶け出す
ある空想の、実在の交じり合う、つまり都市としか呼べない空間を
人々が行き交っていた。真っ白に塗られた、元は別の用途のため形成された
さまざまな部品が積み重なり混ざり合い新たな象徴を立ち上げている。
染み出したコーヒーの茶色が壁を染めて声を発している。
その場で組み立てたらしい流木は血管のように空間を張り巡る。

流木はヤフオクなどで買い集めながら美術館に直送されて組み上げられたらしい


子どもの遊びのようで、キッチュな悪趣味さのようで、
品性が損なわれないあくまで「作品」を生み出し壮大な物語として
この展示空間を埋め尽くしていったと思う。

本人の言葉で物語性が否定されようと(いや特に否定してないけど)
空白を可視化するために石膏が流し込まれ、液体を手に取り積み上げるために
コーヒーの染みは切り取られ、子どもたちの遊びに手を振って「世界」へ向かう
道を歩く作者の手つきが見える気がする。
アサンブラージュ、とか呼んでしまうと重要な部分が白く飛んでしまうような。


SHUGO ARTSの佐谷周吾さんと鈴木芳雄さん。同級生!

ジャケット姿の金氏くん。コーヒーの染み風・ポケットチーフ?は自作
夜、某医院の改築さよなら会
渋谷に戻り旧東急会館跡地脇のとんかつ屋で食事のち
愛する東横のれん街「たねや」で桜餅と蓬餅をお持たせにして
井の頭線で吉祥寺へ。あるアートコレクター一家の古い医院
兼住居を、青木淳さんの設計で改築するのだそう。
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医院の設備がそのまま残る一階

この日のためにディスプレイされた幾つかのコレクション。家財はほぼ引き払っている

血圧計用の台をテーブルにカフェ化する元・待合室。

秋山祐徳太子先生のお土産作品、ブリキの富士がなぜか建築見本の一室に。

左)中庭が修道院のよう。右)いつも女子に囲まれて自称"ショーンコネリー"秋山先生

アオキ設計事務所のスタッフの皆さんとピザを食べる。
東京のこういった場所にこれほどまとまった土地があること
の稀有さと、それをちゃんと生かしたつくりに完成が楽しみ。